府民のくらし、教育は温まるのか?
〜特徴と課題について〜
京都府は1月28 日、一般会計8492 億7100万円の2010 年度当初予算案を発表、2月4日開会した定例府議会で審議がされています。今回の予算案はどうなっているのか、とくに教育分野での予算配分の特徴と課題を検証します。
知事選対策?異例の新規事業、しかし“追い炊き”では限界
一般会計は、前年度比0.1%増を見込んでいますが、府税収入は前年度比426億円マイナスの2400億円と、長引く不況の影響を受けたものになっています。いっぽう、知事選挙の年は、従来「骨格予算」編成が基本ですが、今回は「“続・京都温め予算”(追い炊き予算)」と銘打って、雇用や医療など新規の50事業を持ち込むなど、知事選挙をたいへん意識したものとなっています。
これは、裏を返せば、「5万人の雇用創出」などを打ち出した昨年度の「京都温め予算」では府民のくらしが「温まらなかった」ことを認めたもので、そこにいくら「追い炊き」をしても、限界は見えています。
マスコミからも、「(知事選挙前は)骨格予算とするのが慣例になっており異例だ」(1月29日「読売」)、「急場をしのぐ『綱渡り』の財政運営が続いている」(同「京都」)、「追い炊きの『燃料』は乏しく、府だけで効果を挙げるには限界」、これまでの雇用対策は「臨時的なものが中心で、『砂漠に水をまく』結果となったことは否めない」(同「京都」社説)などと指摘されています。
また見過ごせないのは、今回の予算編成にかかわる財源不足の穴埋めに、職員の人件費削減(給与の4.3%相当、118億円)が充てられていることです。歳出に占める人件費の割合は31.3%と過去最低となり、賃金・定数削減などで職員にいっそうの犠牲を強い、府民サービスの後退を招くものと言わざるをえません。
減少つづく教育予算、教職員の人件費にしわ寄せ
教育予算の特徴はどうでしょうか。
まず第1に、3年連続で減少し、4年ぶりに2000億円を割り込み、総額1979億円と前年度比で51億円(▲2.5%)の削減。とりわけ人件費は48億円(▲2.2%)の大幅削減となっています。
第2に、教育大運動や子どもの就修学保障を求める運動で、保護者・教職員の要求がいくつか反映した予算となっています。第3に、文科省・府教委の「教育改革」を踏襲するものとなっています。
具体的には、
@国の高校授業料無償化にあわせ、私立高校に通う低所得者世帯を対象に、授業料減免額を上回る修学支援(9.84億円)、高校生給付型奨学金支給事業など高校生の修学を保障する予算を拡充
A子どものための京都式少人数教育の充実として
●財源不足から10年度に持ち越された「小学校で30人程度の学級編制が可能となるよう教員配置」を充実(20人増)
●小学校低学年指導充実費(小1・2年生のTT配置)の継続
府の「予算案概要」では、「京都式少人数教育“小学校30人程度学級達成”」「小学校30人程度学級実現のための教員配置完了」としていますが、そうであれば、少人数授業などとの「選択」ではなく、少人数学級に専ら活用されるように措置すべきです。
B特別支援教育充実費(非常勤講師配置)として2.2億円を計上
C府立学校の耐震強化対策費として14校17億円、新設の特別支援学校建設に32.3億円、また府立学校環境整備費として5.8億円を計上、
などです。
いっぽう、「教育改革」などを推進する施策の予算が継続・拡充されており、@小6を復活させた小・中学力診断テストの実施(2490万円)や、研究指定による学力充実・向上システム(800万円)、A「京の子ども 明日へのとびら」作成費(1210万円)などは問題です。
今、あれこれの「改革」や思いつきの事業を持ち込み、教職員を疲弊させるのではなく、学校と教職員に精神的・人的「ゆとり」をつくるために、教育予算をしっかり確保し、教職員の数を増やし、子どもと向き合える時間をつくることが教育行政には何よりも求められています。
