教職員の勤務時間・権利

はじめに

 教職員の勤務時間は、子どもたちにとっては教育条件という側面をもっています。勤務条件の確立や身分の尊重、適正な待遇は、教育をすすめていく上で基本的な条件です。

 教職員の勤務時間は1日8時間、週40時間とされ、週休二日制になっています。が、実際はどうでしょうか? 私たちは、教職員も人間らしく働くことができる「ルールの確立」のためにとりくみをすすめています。

 また教職員の権利・休暇は、青年部や女性部の運動や京都府教育委員会との交渉などを通して、一つひとつ拡大してきたものです。

 権利・休暇は、安心して仕事に専念でき、人間らしい生活を送ることができ、仕事と家庭生活(子育てや家族介護)を両立していく上で最低限のものです。

 職場で学習し、必要なときには誰もが安心して権利・休暇が行使できる職場づくりをすすめましょう。

教職員の勤務時間

 教職員の勤務条件の中で、最も基本の一つが勤務時間です。労働基準法をふまえ、給与条例で1日8時間、週40時間と定められています。

(注:府人事委員会勧告をふまえ、教職員の勤務時間について「1日7時間45分、週38時間45分」とする給与条例の改正が審議されています)

1 教職員の勤務時間…「1日8時間、週40時間勤務」が原則

①使用者は、労働者に、休憩時間を除き、1週間について40時間を超えて労働させてはならない(労基法32条1項)。

②使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて労働させてはならない(労基法32条2項)。

③職員の勤務時間は、休憩時間を除き、4週間を超えない期間につき1週間あたり40時間とする(京都府給与条例30条)。

④日曜日及び土曜日は、週休日とする(給与条例31条1項)。

⑤任命権者は、月曜日から金曜日までの5日間において、1日につき8時間の勤務時間を割り振るものとする(給与条例31条2項)。

⑥職員は、祝日法に基づく休日、年末年始の休日には、勤務することを要しない(給与条例38条)。特に勤務を命じられた場合、代休措置が講じられる(給与条例39条)。

2 休憩時間…勤務から解放される時間

①任命権者は、1日の勤務時間が6時間を超える場合は45分、8時間を超える場合は1時間の休憩時間を、勤務時間の途中に置かなければならない(労基法34条、給与条例34条)。

②休憩時間は、一斉に与え、自由に利用させなければならない(労基法34条)。

③休憩時間が「教育現場の実態により、基準どおり保障されない場合は、実情に即した運用をはかる」(京教組と府教委の確認書)とされています。

3 時間外勤務は? …「原則として時間外勤務はさせてはならない」

①教育職員には原則として時間外勤務を命じないものとする(給特法及び基準政令、給与条例37条)。

②時間外勤務を命じる場合は、以下の4項目に限定され、臨時又は緊急やむを得ない必要があるときに限られています(給与条例37条)。

○校外実習その他生徒の実習に関する業務

○修学旅行その他学校の行事に関する業務

○職員会議に関する業務

○非常災害の場合、児童又は生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合その他やむを得ない場合に必要な業務

③教育職員に時間外勤務を命じる場合、「関係教育職員の繁忙の度合い、健康状況を勘案し、その意向を十分尊重しなければならない」「やむを得ず時間外勤務をさせた場合、すみやかに回復措置を講じるよう努める」とされています(京教組と府教委の確認書)。

4 「制度面からの超勤縮減策」について

 2006年3月、超過勤務を少しでも縮減する策として、「①週休日に業務を行なった場合の週休日の振替、②宿泊を伴う学校の行事における勤務時間の割振り」が制度化されました。

①週休日に業務を行なった場合、週休日の振替を行ない、休日を保障する

○振替を可能とする週休日の業務
・学習活動 ・学校説明会 ・入学者選抜 ・地域行事 ・PTA行事
・部活動指導(上限は、1年につき最大12日間)

○週休日を振り替える可能期間
・週休日業務の「前4週間、後16週間」の間(ただし同一週での振替を基本とし、それが無理な場合「前4週、後8週」、それでも無理な場合「前4週、後16週」とすることとされています)。振替は1日及び半日(4時間)

②宿泊を伴う学校の行事における勤務時間の割振り

  修学旅行など宿泊を伴う学校行事は、夜遅くまで勤務することになります。1泊2日の場合、行事実施の1日目に予め8時間を超える勤務時間(例12時間)を割り振り、行事実施の前後の日に8時間を下回る勤務時間(例4時間)の割り振りをし、週40時間勤務となるようにするものです。

年次有給休暇(年休)

 労働基準法39条は、労働者に有給休暇を与えることを使用者の義務として規定し、労働者に労働から解放され、人間にふさわしい文化的・社会的な生活を営むために必要と認められる最小限の休暇を保障しています(給与条例41条)。

1 年休の付与日数

①1暦年について20日

②4月に採用された新任教職員は15日

2 取得単位…1日・半日・1時間を単位に取得できます

3 繰越…年休は20日を限度に翌年に繰り越すことができます

(新採の人の繰越例)

  付与日数 取得日数例 繰越
1年目 15日 10日 5日
2年目 25日(20日+5日) 15日 10日
3年目 30日(20日+10日) 15日 15日
4年目 35日(20日+15日) 15日 20日

4 任命権者は、年休を職員の請求する時季に与えなければならない

5 年休の性格…(最高裁判決 昭48・3・2)

①年休の権利は、法定要件を充たした場合法律上当然に労働者に生ずる権利であって、労働者の請求をまってはじめて生ずるものではない。

②「請求」とは休暇の時季を指定するという趣旨。

③年休の時季の指定したときは、その指定によって年休が成立し、就労義務が消滅する。

④年休をどのように利用するかは労働者の自由。

6 使用者は年休を取得した労働者に対して、不利益な取扱いをしないようにしなければならない(労基法136条)。

7 府教委は管理職員に対し、職員の年休の取得について「年間を通じた計画的な使用の更なる促進に努めること」と通知しています(08「4・4通達」)。

病気休暇

 病気休暇は、負傷や疾病のため療養する必要があり、勤務しないことがやむを得ないと認められる場合の休暇(有給)です。

1 病気休暇の期間・・・90日(結核性疾患の場合は1年)

①公務上の負傷の場合は、その都度必要と認められる期間

②次の疾病については90日の範囲内で延長できます(最大180日)。

  • 新生物(がん等)
  • 精神及び行動の障害(躁うつ病、自律神経失調症等)
  • 循環器系の疾患(狭心症、心筋梗塞、心不全、脳梗塞、くも膜下出血等)
  • 筋骨格系及び結合組織の疾患(関節炎、腰椎椎間板ヘルニア等)
  • 妊娠、分娩及び産じょくに係る疾患
  • 厚生労働省の難治性疾患克服研究事業の対象となる疾患=難病

③病気休暇の承認を受けた職員が職務に復帰した後6月以内で同一疾病で病気休暇の承認を受けようとする場合は、前の病気休暇の期間と通算されます。

2 病気休暇の申請・手続き(2007年12月から手続きが厳格になりました)

①長期間の病気休暇(週休日等を除き7日以上)
病気休暇の申請ととともに、医師の診断書を添付する

②短期間(7日未満)の病気休暇

○医師の診断書、医療機関の領収書、薬袋等医療機関の受診が確認できる書類を後日提出する

○自宅等で療養し、病院に行かなかった場合、後日「療養報告書」を提出する

3 病気が治らない場合は、病気休職に

 病気休暇(90日又は180日)を取得した後、なお療養が必要な場合、「心身の故障により、長期の休養を要する場合」として病気休職に入ります。期間は最高3年間です。

知っておきたい「特別休暇」

 特別休暇は、結婚、出産、子育てなど特別な事由によって勤務しないことが相当である場合の休暇(有給)です。「特別休暇基準及びその期間」として定められています。以下、青年・女性教職員に係る休暇の主なものです。

1 結婚休暇(6日以内)

 職員が結婚する場合の休暇。分割して取得することが可能です

2 妊娠障害休暇(3週間以内)

 妊娠中の女性教職員が妊娠に起因すると認められる諸障害のため勤務することが困難なときの休暇

3 産前休暇・産後休暇

 ○産前休暇:出産予定日8週間前(多胎妊娠の場合14週間)
 ○産後休暇:産後8週間

4 生理休暇(1回について2日以内)

 生理日に勤務することが著しく困難な場合の休暇

5 育児時間(1日90分以内、30分単位)

 生後満1歳6月に満たない子どもを育児する場合の休暇

6 配偶者出産休暇(3日間)

 配偶者が出産する場合(入・退院時の付き添い、入院中の世話、出生届など)

7 男性育児休暇(5日間)

 配偶者の産前・産後期間中に、子どもの養育を行なう場合の休暇

8 子育て休暇(1暦年7日、子どもが一人増えるごとに1日加算されます)

 ①取得用件

 ○子どもが病気の時、看護する必要がある場合
 ○子どもの予防接種、健康診断・健康診査に付き添う場合
 ○子どもが在籍する学校の行事に参加する場合

 ②子どもの範囲 満15歳に達する日以後の3月末まで(中学校卒業)

 ③取得単位 1日・半日・1時間を単位に取得できます

9 忌引休暇(後日、会葬礼状等の提出など、2007年12月から手続きが厳格になりました)

 職員の親族が死亡した場合、葬儀等のために勤務しないことが相当であると認められる時の休暇(配偶者10日、父母7日、子5日など)

10 夏季特別休暇(7月から9月の間に4日間、1日又は半日単位で取得できる)

 夏季において盆等の諸行事、帰省等の家庭旅行、健康増進のためのスポーツ、自宅での休養、趣味・娯楽等を行うための休暇

11 ボランティア休暇(1暦年6日間)

 職員が自発的に、かつ、報酬を得ないで社会に貢献する活動のための休暇

育児ための休暇・休業制度

 育児休業制度は、子を養育する教職員の継続的な勤務を促進し、教職員の福祉を増進するとともに、地方公共団体の行政(教育)の円滑な運営に資することを目的としています。

1 育児休業

 ①対象職員:満3歳までの子をもつ男女すべての教職員

 ②休業期間:子どもが満3歳になる日まで

 ③育児休業手当金:

育児休業期間、賃金は支給されませんが、共済組合から育児休業手当金が1歳(又は1歳半)まで支給されます(給料日額の50%相当)

 ④期間の延長:特別の事情がある場合を除き、期間の延長は1回限り

 ⑤不利益取扱いの禁止:

育児休業を理由に不利益な取扱いを受けません

2 部分休業(2008年1月から休業できる期間が延長されました)

 ①対象職員:小学校就学の始期に達する日までの子を養育する職員

 ②休業できる期間:

子が小学校就学の始期に達する日までの期間
勤務時間の初め又は終わりにおいて1日を通じて2時間を超えない範囲内(30分単位)


 ③育児時間との関係:

育児時間(満1歳半まで、1日90分)が承認されている場合、2時間から育児時間を減じた時間を超えない範囲内(30分)

3 育児時間(特別休暇、1日90分以内、有給)

 生後満1歳6月に満たない子どもを育児する場合の休暇

4 育児短時間勤務(2008・4〜)

 職員は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育するため、子が小学校就学の日に達するまで、育児短時間勤務をすることができます。

 ①勤務形態:

ア 1日につき4時間勤務(4時間×5日=20時間)
イ 1日につき5時間勤務(5時間×5日=25時間)
ウ 1日8時間勤務を3日(8時間×3日=24時間)
エ 8時間を2日、4時間を1日(20時間)


 ②請求:

育児短時間勤務をしようとする期間(1月以上1年以下)の初日と末日、勤務形態を明らかにし、初日の1月前までに請求する


 ③代替講師:

非常勤講師(定額講師、定数活用非常勤講師等)が配置されます

さいごに

 勤務時間の基本的なことや休暇制度のあらましを紹介しました。制度の詳しい内容や手続きなどは、教職員組合や職場の組合員に気軽に聞いてください。また妊娠教職員の勤務軽減措置、病気休職からの復帰者の勤務軽減措置、介護休暇制度、福利厚生制度などについて、職場で学習をすすめましょう。

 教職員組合は誰もが健康で生き生きと働くことができるよう、長時間・過密勤務の解消や休暇制度の拡充などのとりくみをすすめています。またセクハラ、パワハラ、職場いじめ(ハラスメント)のない、働きやすい職場環境をめざしています。教職員組合に加入していただき、生活と権利、いのちと健康を守るとりくみを一緒にすすめていただくことをよびかけます。

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